整理収納は愛情です

こんにちは!
千葉県野田市整理収納アドバイザー
井野ともみです。

いきなりくさいタイトルですみません。
でもここに気づいていない方が多いと感じているので
片づけがらみで家族とケンカになってしまう方
ぜひ読んでみてください。

目次

1:最初は目も合わせなかったご主人の話

 ご主人が心を開いた瞬間
 生き生きと作業されていたご主人
 最後にご主人がおっしゃったのは・・・

2:我が家の整理収納×家族の話

 夫専用スペースを広げる作戦

3:愛情とは・まとめ


最初は目も合わせなかったご主人の話

先日アシスタントでお客様宅へお伺いした時のお話。

通常最初にヒアリングをしながらお家を見て回るのですが、
そのときのご主人が最初けっこうな不機嫌モードで・・・。

奥様が
『このタンスはいらないので手放そうと思っているんです』

とおっしゃると

『これなくしたら俺の服入らないじゃねぇかよ。
これは捨てねぇよ。』
と、ご主人。

『だってこのタンス邪魔じゃない』
と、奥様。

出だしから不穏な空気が流れる和室・・・苦笑


奥様はどんどん捨てたいモードでしたので
ご主人は、私たちのことを
捨てさせ屋が来た、と思われていたようでした。

ご主人が心を開いた瞬間

ご主人のお洋服スペースは、押し入れの上段半分ほど。
そこにお洋服がところ狭しとぎゅうぎゅうに収まっていました。

一方、奥様のお洋服は2階のクローゼット2間分、納戸のタンスにも割と多めに収まり
さらにはご主人の押し入れにも半分浸食。
そのほか趣味のモノ、捨てられなかったお布団などでもう一間分の押し入れ
どう考えても、奥様のスペースの方がかなり多かったのです。

そこで、先輩アドバイザーがご提案したのは
『こちらの押し入れは全てご主人スペースにしましょう!』

今まで半分しか使えなかった押し入れを
全てご主人スペースに変えていったのです。

生き生きと作業されていたご主人

自分のスペース、モノを減らされると思っていたご主人

ですが、実際はご主人のスペースを増やすことに。
その後は、ご主人と私が一緒に作業をしたのですが

これはお仕事用の服ですか?
これはどんなときに着る服ですか?
これは旅行用と一緒でもいいですね!

みたいな感じで。

ひたすら分ける作業
衣替えもしにくそうでしたので
冬物は一括でまとめて引き出しへ。

衣替え不要な押し入れ収納の完成となりました。

一度も
これ、いります?
とは聞かなかったのですが
全部の服を見ているうちに

この服はもう着ない

と自ら判断され、
結果ご主人も服はけっこう手放していらっしゃいました。

趣味用の服もいくつかあり
素敵なご趣味ですね!どちらでされるんですか?

なんて趣味の話で盛り上がったりしていたら
少しずつ心を開いて頂き、
ご主人の表情もかなり和らいできました。

最後にご主人がおっしゃったのは・・・

最初は目も合わせてくれなかったご主人ですが

次回はここをこうしますね
というお話を少しした後、帰り際に

『またお願いします!!』

と、おっしゃって頂いたのです!!

先輩と私、感動。
次回もより楽しみになりました。

我が家の整理収納×家族の話

私自身整理収納アドバイザーですが
生活していたら、収納に困ることは
自宅でもたまにあります。

先日も、夫の下着が入らない問題に直面。

夫は服が多いんです。
下着もめちゃめちゃ多いんです。(私基準ですが)

ですが、全て理由があります。
これは夏の○○用
冬の○○用

靴下一つとっても、全て○○用があり、さらにその予備も必ず持っておきたいので
たこじゃないんだから・・・と突っ込みたくなるほど
靴下が多いのです。

ちゃんと理由があるから、ある意味タチが悪く。笑
見返したところで減りません。

でも、この分量だと入れたい引き出しにはもう収まらず
夏ものと冬物を分けて下着の衣替えをしていたのですが
両方欲しい今くらいの時期は入りきらず
頭を抱えました。

入りきらない分量を押し込むのは
毎日洗濯物をしまうたびに私がストレスです。

さて、どうしたものか。

夫専用スペースを広げる作戦

減らせない、入らない、となったら
場所を増やすしかありません。

整理を学んでいる方は
場所を増やしたらモノが増えるじゃない

と思われるかも知れませんが、
適正量は人によって違います。

全ての物に理由がありますし
持っていることを把握しています。
夫にとっての適正量は、この量なのです。

私は夫に仕事の時のようにヒアリングし
手放すことができないと判断したので
場所を増やすことにしました。


余裕ができたことで
毎日しまう時のストレスは軽減。

夫も見やすく出しやすくなり
喜んでくれました。

ちなみに、それによって入りきらなくなった私の部屋着は
別のスペースへ移動しました。
すごく使いづらくなるわけでもないので
全体的にみたらこれで良かったと思っています。


愛情とは・まとめ

整理収納のノウハウをご存じの方や
そういった類いの情報をよくご覧になる方は

断捨離
ミニマリスト

が正解だと思っていらっしゃる方も多いと思います。
減らすことが大事!と思っていらっしゃるのではないでしょうか。

確かに、入りきらない分量は減らさなければ
収納できませんし
生活もしづらいです。

しかし、手放すのはあくまでも本人が気づき、納得しないと意味がありません。

強引にブルドーザーのように
モノを減らしても
ご本人が納得していなければ
また同じモノを同じように買ってくることでしょう。
それでは全く意味がないのです。

それよりも、一番最初に絶対的に必要なのは
ヒアリングです。

仕事にしているからではなく
家族内でも同じだと今回実感しました。

なぜその量必要なのか
どんなふうにしたいのか

そうするためには、じゃぁどうする?

そこから初めて整理収納がスタートします。

本人の『どうしたい』を無視してモノを減らす行為は
ケンカどころか取り返しのつかない亀裂を生む可能性もあります。

片づけたいと思っても
自分基準の価値観を相手に押しつけるのは
ただのエゴです。


『暮らしやすくしたい!その方が家族のため!
だからあんた減らしなさいよ』

って、だいぶ矛盾していると思いません?




最初のお客様も
奥様ご自身は減らしたい!だから夫のモノも減らさせたい!
そんな思いをご主人が感じ取っていたから
最初は不機嫌モードだったんだと思います。

客観的に見て、ご主人はそもそも量が多くないということも
気づいて頂けたのではないかと思います。

相手の『こうしたい』を聞く作業は
愛情ベースだと思っています。

そして話す側も、
『こうしたい』を真剣に聞いてくれる相手には
信頼もするし、心を開いてくれます。

整理収納は
相手の要望をちゃんと聞く事=愛情です。